社会的養護関係施設の第三者評価|3年に1回の義務と措置費算定(上限31万4千円)

社会的養護関係施設の第三者評価|3年に1回の義務と措置費算定(上限31万4千円)

2026年07月16日(木)6:30 PM

社会的養護関係施設の第三者評価は、他の福祉サービスと異なり制度上の義務です。3年に1回以上の受審と結果の公表が求められ、あわせて自己評価は毎年必要になります。一方で、受審経費は措置費に算定できる仕組みがあり、上限額が定められています。この記事では、義務の根拠、措置費算定の仕組み、実務上の注意点を整理します。

なぜ社会的養護関係施設だけが義務なのか

福祉サービス第三者評価は、本来、事業者が任意で受ける仕組みです。しかし社会的養護関係施設については、次の理由から受審と結果の公表が義務づけられています。

  1. こどもが施設を選べない
    措置制度により入所するため、利用者による選択という市場的なチェックが働きません。
  2. 施設長による親権代行等の規定がある
    施設が担う権限が大きく、その分、外部からの検証が求められます。
  3. 被虐待児等の入所が増加している
    施設運営の質の向上が急務とされています。

この趣旨は、平成24年度からの義務化にあたって国が示したものです。「義務だから受ける」のではなく、こどもたちのために質を高める仕組みとして主体的に活用することが期待されています。

義務の根拠

「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」において、乳児院・母子生活支援施設・児童養護施設・児童心理治療施設・児童自立支援施設について、自らその行う業務の質の評価を行うとともに、定期的に外部の者による評価を受け、それらの結果を公表し、常にその改善を図らなければならない旨が定められています。

受審の頻度と自己評価

  頻度 備考
第三者評価 3年に1回以上 結果の公表が必要
自己評価 毎年 受審年も評価機関へ提出するため、実質毎年実施

見落とされやすい点:「3年に1回でよい」と理解して、受審しない年の自己評価を省いてしまうケースがあります。自己評価は毎年必要です。また、第三者評価を受審する年も、自己評価の結果を評価機関に提出することになるため、結果として自己評価は毎年行うことになります。

受審経費は措置費に算定できます

平成24年度の義務化にあわせて、受審経費を措置費に算定できる仕組みが設けられました。

上限 314,000円
3年に1回・受審経費として措置費に算定

受審料は評価機関ごとに定められており、最終的には施設と評価機関の契約により決まります。上限額を超える部分については、施設の負担となります。

評価機関を選ぶ際の視点:受審料が上限額を超える場合、その差額は施設の持ち出しになります。見積りを取る際は、料金が上限額に収まるか、交通費が別途かかるかを必ず確認してください。特に遠方の評価機関に依頼する場合、交通費・宿泊費が加算されて上限を超えることがあります。

算定にあたっての確認

措置費への算定は、都道府県・指定都市等が行います。算定の可否・手続き・提出書類は、所管の自治体へ必ずご確認ください。制度は改正される場合があります。

評価基準は概ね3年ごとに見直されます

社会的養護の施設運営指針および第三者評価基準は、概ね3年ごとに定期的な見直しが行われています。3年に1回の受審義務と、3年ごとの基準見直しが対応しており、3か年度を1サイクルとして制度が運用されています。

直近では、こども家庭庁から令和7年3月31日付で「社会的養護関係施設における第三者評価及び自己評価の実施について」の通知が発出され、評価基準についても更新されています。受審にあたっては、最新の基準に基づいて自己評価を行う必要があります。

受審の流れと期間

段階 内容
1. 評価機関の選定 ホームページ等で情報を収集し、評価方法・料金を確認して契約
2. 職員への説明 施設内で第三者評価の手順等を共有
3. 自己評価 評価基準に沿って実施。結果と事前提出資料を評価機関へ
4. 利用者調査 入所しているこどもたち等へのアンケートに協力
5. 訪問調査 評価調査者が訪問し、書類確認・ヒアリング等を実施
6. 評価結果・公表 報告書の受領、結果の公表

受審申込みから結果公表までは、おおむね3か月から半年程度かかります。施設と評価機関の計画により変わりますが、年度末は評価機関・施設とも日程が集中するため、早めのご相談をおすすめします。

評価結果はa・b・cの3段階

社会的養護関係施設の評価では、結果をa・b・cの3段階で示します。

区分 意味
a 施設運営指針に掲げられている、目指すべき状態
b aには至らない、多くの施設で考えられる状態
c bより課題が大きい状態

cの項目があれば改善の活動が必要です。bの項目も、aに向けて努力していくことが重要とされています。行政監査のように最低基準の遵守を確認するものではなく、より良い状態を目指すための仕組みです。

評価機関の選び方

  1. 全国推進組織(全国社会福祉協議会)の認証を受けているか
    社会的養護関係施設の評価は、原則として全国共通の評価基準により実施されます。評価機関の認証と評価調査者の研修は、全国社会福祉協議会が広域的に行っています。
  2. 料金が措置費の上限額に収まるか
    交通費・宿泊費が別途必要かどうかも含めて確認してください。
  3. 報告書の内容が改善につながるか
    判定だけで終わる報告書か、現場の実践を読み取り次の一歩を示す報告書かで、受審の意味が大きく変わります。
  4. 日程調整に応じてもらえるか
    3〜6か月かかるため、施設の年間行事との調整が必要です。

本記事の位置づけについて:本記事は制度の全体像を整理したものです。措置費算定の可否・手続き・提出書類、評価基準の最新版については、所管の自治体および全国社会福祉協議会・こども家庭庁の最新の通知をご確認ください。制度は改正される場合があります。

参考

社会的養護関係施設の第三者評価に、全国対応しています

2003年設立・年間約80施設の評価実績。乳児院・児童養護施設・児童心理治療施設・児童自立支援施設・母子生活支援施設のすべてで受審実績があります。
基本料金314,000円(税込・利用者50名まで)。受審年度のご確認だけでも承ります。お見積りは無料です。

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