保育所の第三者評価|5年に1回の受審と公定価格の受審加算・申請時期の注意点
保育所・認定こども園では、第三者評価の受審に対して公定価格の「第三者評価受審加算」を算定できる場合があります。ただし加算には上限があり、受審費用の全額が補填されるわけではありません。また、申請時期・公表要件・5年度間は再度算定できないなど、見落としやすい点がいくつかあります。この記事では、制度の全体像と実務上の注意点を整理します。
保育所の第三者評価は義務なのか
結論から申し上げると、受審そのものは義務ではありません。国は福祉サービスの質の向上を図る観点から受審と結果の公表を推奨していますが、法令上、すべての保育所に一律の受審義務を課しているわけではありません。
ただし、注意が必要なのは自治体ごとに運用が異なる点です。独自の条例や指導基準により、実質的に受審を求めている自治体や、より短い周期での受審を推奨している自治体もあります。お住まいの市町村の取扱いは、必ず所管課へご確認ください。
なぜ「5年に1回」と言われるのか「5年に1回」という周期がよく語られるのは、公定価格の第三者評価受審加算が5年サイクルを前提に設計されているためです。こども家庭庁の通知には、第三者評価の受審は5年に一度程度を想定しており、加算適用年度から5年度間は再度の加算適用はできない旨が明記されています。
つまり「5年に1回受けなければならない」という義務ではなく、「5年に1回なら加算を受けられる」という財政上の仕組みが、実務上の周期を形づくっているということです。
公定価格の第三者評価受審加算とは
保育所・認定こども園・地域型保育事業などには、公定価格の加算項目として「第三者評価受審加算」が設けられています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 保育所、認定こども園、家庭的保育事業、小規模保育事業 等 |
| 要件 | 市町村が認める第三者評価機関による評価を受審し、その結果をホームページ等により広く公表すること |
| 加算額 | 定められた額(上限あり)を、3月初日の利用子ども数で除して得た額 |
| 支給時期 | 3月初日に利用する子どもの単価に加算 |
| 申請期限 | 受審状況が分かる資料等を、毎年12月末までに市町村へ提出 |
| 再算定 | 加算適用年度から5年度間は再度の適用不可 |
加算額について:加算には上限が設けられており、受審に要した費用の全額が補填されるわけではありません。具体的な金額は年度ごとの告示により定められ、また利用子ども数で除して単価に上乗せする仕組みのため、施設ごとに受け取る額は異なります。正確な金額は、所管の市町村へご確認ください。
見落としやすい4つの落とし穴
- 申請は12月末まで
年度末に慌てて受審を決めても、申請期限を過ぎていれば当年度の加算は受けられません。受審の意向が固まった段階で、早めに市町村へ相談しておくことが重要です。 - 結果の公表が要件
受審しただけでは加算の対象になりません。評価結果をホームページ等で広く公表することが要件です。公表の準備も含めてスケジュールを組む必要があります。 - 5年度間は再度算定できない
一度加算を受けると、その年度から5年度間は再度の適用ができません。「毎年受審して毎年加算」ということはできない設計です。 - 上限があるため自己負担が生じる
第三者評価の受審費用は施設種別・規模により幅がありますが、加算の上限を上回ることが一般的です。差額は施設の負担となります。
評価機関からの評価結果の提示が翌年度になり、結果の公表も翌年度にずれ込む場合があります。この点について通知は、評価機関との契約書等により当年度に受審や結果の公表が行われることが確認できる場合は加算の対象とする旨を定めています。市町村が事後に確認することとされています。
実務上は、契約書の締結時期が鍵になります。この点も含めて、評価機関と市町村の双方に確認しておくと確実です。
自治体独自の上乗せ補助
国の加算には上限があるため、多くの都道府県・市区町村では、独自の受審費用補助を設けている場合があります。自己負担分の一部を補助するもの、一定額を上限に上乗せするものなど、内容は自治体により様々です。
長崎県内の施設の方へ:県内の市町における上乗せ補助の有無・内容は、市町ごとに異なります。受審を検討される際は、まず所管の市町へ「第三者評価の受審費用に関する補助制度はあるか」をご確認ください。当機構でも、確認すべき事項の整理をお手伝いいたします。
受審を検討する際の進め方
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 年度前半 | 市町村へ加算・補助制度を確認。評価機関へ相談・見積り依頼 |
| 契約 | 評価機関と委託契約を締結(加算要件との関係で時期が重要) |
| 受審前 | 自己評価の実施、利用者・家族へのアンケート |
| 受審 | 評価調査者による訪問調査 |
| 12月末まで | 市町村へ加算の申請 |
| 年度内 | 評価結果の公表(ホームページ等) |
年度末は評価機関・施設とも日程が集中します。また、加算の申請期限が12月末であることを踏まえると、実質的には年度前半のうちに動き出しておくのが安全です。
本記事の位置づけについて:本記事は制度の全体像を整理したものです。加算額・申請様式・提出期限の詳細、自治体独自の補助制度の有無は、市町村により異なります。また、制度は年度ごとに改正される場合があります。実際の手続きにあたっては、必ず所管の市町村および最新の告示・通知をご確認ください。
2003年設立・長崎県認証の第三者評価機関として、年間約80施設の評価を実施しています。
受審時期や加算・補助制度の確認事項の整理など、ご相談だけでも承ります。お見積りは無料です。

