自己評価の進め方4ステップ|努力義務の意味と外部の目の活かし方
「第三者評価はハードルが高い」「まず自分たちでできることから始めたい」——そう感じている施設・事業所も多いのではないでしょうか。その第一歩となるのが「自己評価」です。実は自己評価は、第三者評価の前段階であると同時に、それ単独でも大きな意味を持つ取り組みです。本記事では、自己評価とは何か、どう進めればよいかを整理します。
自己評価は「努力義務」です
まず、制度上の位置づけを確認します。第三者評価の受審は任意ですが、自己評価については、社会福祉法が「努力義務」として求めています。
社会福祉事業の経営者は、自己評価の実施等によって、自らの提供する福祉サービスの質の向上に努めなければならない——。
(社会福祉法第78条第1項の趣旨)
つまり、自己評価は「やってもやらなくてもよいもの」ではなく、どの事業所も「質の向上のために取り組むことが望まれている」 ものです。第三者評価を受けるかどうかにかかわらず、自己評価そのものは、すべての事業所に関わる取り組みだといえます。
自己評価とは「自分たちを、自分たちで見つめ直す」こと
自己評価とは、事業者が「自ら」提供するサービスの質を評価することです。評価基準に沿って、日々の支援や運営を一つひとつ振り返り、「できていること」「まだ十分でないこと」を、自分たちの手で確認していきます。
大切なのは、これが「良し悪しを採点する」ためのものではないということです。目的は、事業運営の具体的な課題を自分たちで「把握」し、次の改善につなげることにあります。優劣をつけるのではなく、「気づく」ための作業なのです。
自己評価の進め方(4つのステップ)
では、実際にどう進めればよいのでしょうか。基本的な流れを整理します。
評価基準を用意する
全国社会福祉協議会や各都道府県が示す「評価基準(ガイドライン)」を使います。サービス種別ごとに用意されており、何を振り返るべきかの「ものさし」になります。
職員それぞれが振り返る
管理者だけでなく、現場の職員も一緒に振り返ることが大切です。立場によって「見えているもの」が違うため、複数の目で見ることで、気づきが深まります。
話し合って「すり合わせる」
それぞれの評価を持ち寄り、なぜそう感じたかを話し合います。「人によって評価が分かれた項目」にこそ、大切な課題が隠れていることが少なくありません。
課題を「次の一歩」につなげる
見えてきた課題のうち、まず何から取り組むかを決めます。すべてを一度に変える必要はありません。「着手できるものから」で十分です。
自己評価で「つまずきやすい」ところ
自己評価は自分たちでできる取り組みですが、いざ始めてみると、難しさを感じる場面もあります。
「できているつもり」になりやすい … 内部の目だけでは、慣れによる思い込みに気づきにくいことがあります。
評価が「甘く」なりがち … 自分たちのことを評価するため、どうしても遠慮や自己弁護が入りやすくなります。
本音が出にくい … 職員が管理者を前に、率直な意見を言いづらいことがあります。
こうした「内部だけでは超えにくい壁」があるからこそ、自己評価に加えて「外部の視点」を取り入れることに意味があります。
「外部の目」を組み合わせると、より深まります
自己評価の「つまずき」を補ううえで、外部の視点は有効です。方法は、大きく2つあります。
職員アンケート(匿名)を併用する
外部機関による匿名アンケートなら、管理者の前では言いにくい「本音」が集まります。自己評価では見えにくかった課題が、浮かび上がります。
第三者評価を受審する
自己評価を「出発点」として、第三者評価へ進む方法です。自分たちの評価と、外部の評価を照らし合わせることで、「ズレ」に気づけます。
「まず自己評価から」「アンケートだけ試したい」「いずれは受審も」——どの段階からでも構いません。私たちは、点数をつける「判定者」ではなく、施設の歩みに寄り添う「伴走者」として、その事業所に合った進め方を一緒に考えます。
まとめ
自己評価は、社会福祉法が求める「努力義務」であり、質の向上に向けた第一歩です。評価基準をもとに、職員みんなで振り返り、話し合い、課題を次の一歩につなげる——その過程そのものが、事業所の力になります。
一方で、自分たちだけでは「思い込み」や「評価の甘さ」を超えにくいのも事実です。だからこそ、職員アンケートや第三者評価といった「外部の目」を組み合わせることで、自己評価はより深く、実りあるものになります。私たちは、長崎県内の施設・事業所の皆さまに向けて、長崎県認証の第三者評価機関として、自己評価の段階からのご相談もお受けしています。
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※ 本記事の内容は、一般的な制度の概要と進め方をまとめたものです。評価基準や取扱いの詳細は、サービス種別や自治体によって異なります。所管の指定権者・都道府県等が示す最新の情報をご確認ください。

