GH外部評価と運営推進会議評価の違い
認知症グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では、年に1回以上、サービスの質を外部の目で確かめる評価が求められています。その方法は、評価機関による「外部評価」と、「運営推進会議を活用した評価」のどちらかを選べる仕組みになっています。本記事では、2つの方法の違いと、外部評価を続けることで使える「実施回数の緩和(2年に1回)」の仕組みを整理します。
評価の方法は「2つから選べる」ようになりました
グループホームの外部評価は、以前は評価機関による評価が原則でした。令和3年度の介護報酬改定により、次のどちらかを選んで実施できるようになっています。
① 外部評価(評価機関による評価)
都道府県が選定した評価機関の評価調査員が事業所を訪問し、自己評価や書類、聞き取りをもとに評価します。結果は評価機関が取りまとめ、公表されます。
② 運営推進会議を活用した評価
事業所が行った自己評価を運営推進会議で報告し、利用者・ご家族、地域の方、市町村職員などから、第三者の視点で意見を受けます。結果の取りまとめと公表は事業所が行います。
どちらの方法を選んでも、職員による自己評価が出発点であることは変わりません。違いは、その自己評価を「誰が、どのように」外部の目で確かめるかにあります。
2つの方法の違いを比べてみると
| 項目 | ① 外部評価 | ② 運営推進会議を活用した評価 |
|---|---|---|
| 評価する人 | 評価機関の評価調査員 | 運営推進会議の参加者(市町村職員等や、知見を有する第三者を含む) |
| 事業所の準備 | 自己評価、書類の準備、訪問調査への対応 | 自己評価、会議資料の作成、参加者の調整、会議の進行 |
| 結果の取りまとめ・公表 | 評価機関が取りまとめ、公表される | 事業所が取りまとめ、公表する |
| 費用 | 評価機関への評価手数料がかかる | 手数料はかからないが、事業所の事務負担が大きくなる |
| 実施回数の緩和 | 要件を満たせば「2年に1回」にできる | 緩和の仕組みはない(毎年実施) |
運営推進会議を活用した評価で必要なこと
運営推進会議を活用した評価は、手数料がかからない点が魅力ですが、次のような準備を事業所自身で行う必要があります。
自己評価を取りまとめる
職員の自己評価を、所定の様式に沿って取りまとめます。外部評価と同じく、ここが土台になります。
評価にふさわしい参加者をそろえる
評価を行う会議には、市町村職員または地域包括支援センター職員に加え、サービスや評価について知見を持つ、公正・中立な第三者の参加が求められます。
会議で報告し、意見を受ける
自己評価の内容と課題を会議で説明し、参加者から意見をもらいます。普段の会議よりも時間と準備が必要になります。
結果をまとめて公表する
出された意見を踏まえて評価結果をまとめ、公表します。外部評価では評価機関が担う部分を、事業所が担うことになります。
実際に、運営推進会議を活用した評価に切り替えた事業所の中には、会議の準備や参加者の調整、結果の取りまとめの負担が想像以上だったため、再び外部評価に戻られたところもあります。切り替えを考えるときは、手数料だけでなく、職員の手間も含めて比べることが大切です。
外部評価を続けると使える「2年に1回」の緩和
外部評価には、一定の要件を満たす事業所について、実施回数を「2年に1回」にできる仕組みがあります。主な要件は次のとおりです。
(1)過去に5年間継続して外部評価を実施していること
(2)「自己評価及び外部評価結果」と「目標達成計画」を市町村に提出していること
(3)運営推進会議を、前年度に6回以上開催していること
(4)運営推進会議に、市町村職員または地域包括支援センター職員が出席していること
(5)外部評価の特定の項目について、実践状況が適切であること
ここで注意したいのが、(1)の「5年間継続」です。運営推進会議を活用した評価を行った年度は、外部評価の継続年数に数えない取扱いが一般的です。たとえば、4年続けて外部評価を受けてきた事業所が5年目に運営推進会議の評価へ切り替えると、それまでの継続年数が途切れ、緩和を受けるには改めて5年間の継続が必要になる可能性があります。
切り替えを考えるなら、こんな順番もあります
① 外部評価を5年続けて、緩和の要件を満たす
② 外部評価が緩和される年度に、運営推進会議を活用した評価を試してみる
③ その経験を踏まえて、次の年度以降の方法を選ぶ
これまで積み重ねてきた継続年数を生かしながら、運営推進会議を活用した評価の負担や効果を実際に確かめたうえで判断できるのが、この進め方の良い点です。
※ 緩和の要件や、継続年数の数え方などの具体的な取扱いは、保険者(市町村等)によって異なる場合があります。必ず所管の保険者にご確認ください。
どちらを選ぶかは、事業所の状況しだい
外部評価と運営推進会議を活用した評価は、どちらも制度で認められた方法です。「どちらが正しい」というものではありません。
外部評価が向いている事業所
- 専門の評価調査員から、具体的な助言を受けたい
- 会議の準備や結果の取りまとめに、職員の手を割きにくい
- 継続して受審し、「2年に1回」の緩和を目指したい
運営推進会議の評価が向いている事業所
- 運営推進会議が活発で、参加者との関係ができている
- 知見のある第三者に、毎年の参加をお願いできる
- 評価の取りまとめや公表を、事業所内で担える体制がある
まとめ
グループホームの評価は、外部評価と運営推進会議を活用した評価のどちらかを選べるようになりました。手数料の有無だけでなく、事業所の事務負担や、外部評価を続けることで使える「2年に1回」の緩和も含めて比べることが大切です。特に、外部評価を数年続けてきた事業所は、切り替えのタイミングによって継続年数が途切れることがあるため、慎重な検討をおすすめします。
私たちは、長崎県内のグループホームの外部評価を数多く担当してきた評価機関として、「どちらの方法がよいか」「緩和の要件を満たしているか」といったご相談もお受けしています。点数をつける「判定者」ではなく、事業所の成長に寄り添う「伴走者」として、お気軽にご相談ください。
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※ 本記事は、認知症対応型共同生活介護の外部評価に関する一般的な制度の概要をまとめたものです。評価の方法、実施回数の緩和の要件、継続年数の数え方などの具体的な取扱いは、保険者(市町村等)によって異なる場合があります。所管の保険者が示す最新の情報をご確認ください。

